まなにゃんブログ in Germany

2017/8より主人の海外赴任に帯同し、ドイツ(Trier)に住んでいます。このブログでは、ドイツでの暮らしや日々思うことをつらつらと書いていければなと思っています。

【ポーランド】アウシュヴィッツで過去と未来を考える①行く前の情報収集(Auschwitz)

ポーランドにある負の世界遺産アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」。この国を訪れるにあたり、私がどうしても行きたかった場所でした。

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元々、小学生時代の愛読書は「アンネの日記」だった私。勿論読んでいたのは子ども向けのものでしたが、幼少期に大きく衝撃を受けたホロコーストの現場に訪れることは私にとってとても自然なことでした。

また、現在私はドイツに住んでいます。ナチ独裁のもと国家的な罪を犯し、敗戦により全てを失ったドイツですが、戦争から70年以上が経った今、普段の生活において、戦争の爪痕を感じるようなことはほとんどありません。ドイツ人のお友達の考えを色々聞きたいという気持ちもあるのですが、テーマがテーマだけになかなか難しいです。私が住むドイツという国をより理解するためにも、ホロコーストとその後について学びたいと思っていました。

 

普段軽い内容のポストしかしていないので、上手く書けないと思うのですが、今回学んだ中で印象的だったこと(事実)や、そこから私の感じたことをメモしておきたいと思います。

 

まず今回は、実際に行ってみての記事ではなく、行く前の情報収集について書いておきます。

 

アウシュヴィッツは一生に何度も訪れられるような場所ではないし、当日の見学はわずか数時間で終わってしまいます。私は元々子どもの時読んだ内容と世界史の授業で学んだ程度の知識しかなかったので、予めホロコーストと大戦前後の歴史について少し学ぶことにしました。

以下、私が参考にしたページや本を軽くご紹介しておきます。

 

アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館の公式サイト

 日本語PDFでは基本的情報、英語サイトではより詳しい情報が得られます。

『夜と霧』/ ヴィクトール・E・フランクル

『Night』/ Elie Wiesel著

 これら二冊は収容所の現実を描いたとても有名な本なので、読んだことがある方も多いかな…心を揺さぶられるような描写が多々あります。

『ヒトラーとナチ・ドイツ』/ 石田勇治著

  ヒトラーがどのように力を持つようになったか、なぜユダヤ人の根絶という思想を持つようになったのか、なぜドイツ国民はその極端な思想に動かされてしまったのかを順をおって学べる本です。この本は非常におすすめ。

『池上彰の世界の見方 ドイツとEU』/ 池上彰

  少し毛色が変わりますが、大戦以前・以後(近現代の話が多いです)のドイツやEU各国の動きについて簡単に学べる本です。大戦における強い後悔が、どのように昨今のドイツの対外施策(移民受け入れやEU各国との交わり方等)に影響しているかがとてもわかりやすく学べます。

 ・『わが闘争』/ アドルフ・ヒトラー

 事実とは異なる点や論理の矛盾は多々あるものの、それも含めてどのようにヒトラーが周囲を巻き込んでいったかがわかる本です。歴史的な背景や事実を知ったうえで読むと良いかもです(訳者もかなり注釈してくれています。)結構読みにくいですし、ざっと読んで大体の感じを掴めば良い本かなと思います。

 

個人的にはホロコーストに焦点を当てた「感情に訴えかけてくるもの」だけでなく、 戦前~戦後の「なぜ」「どのように」を俯瞰的に知ることがとても大切かなと感じました。(前者は、アウシュヴィッツ訪問により痛いほど知れるというのもあります。)

私がこの過程で学び、驚いたことを数点。

ホロコーストユダヤ人に対する大虐殺の印象が非常に強いが、実は同様の差別・迫害・虐殺は他の少数派(心身障がい者ホモセクシュアル、ジプシー等)に対しても向けられていたということ。特に、一番初めに組織的に殺害されたり生殖機能を奪う手術が行われたのは、障がいを持つ人に対してであった。(後にそこでのノウハウが強制収容所で適用された。)

 ★ユダヤ人を抹殺することは、ヒトラーが独裁を始めた後もはじめから意図していたわけではなかったということ。当初は、マダガスカル島等自分たちの目に入らないところに移住させる予定だった。

→勿論、それがマシというわけでは無いですが、それでも、他に選択肢があったということがショックでした。国内外からの反対によりこの移住計画はとん挫するのですが、もしそうでなければまた違う未来があったのでは…と皮肉に思います。

→その他にも、「ヒトラーは当初からこうではなかった(立場的にも、思考的にも)」という点が多々あります。ヒトラーが唯一・特別な悪で、周りはそれに服従するしかなかった・洗脳されていたという印象が強いですが、彼に超極端な思想及び大きな力を与え、ホロコーストの実行をさせることになったのは周囲が(しばしば自己都合で)彼を持ち上げていったせいだという見方も出来ると感じました。

→起こったことに「たられば」はないには違いないですが、それでも様々な力や偶然が働いてホロコーストは起こったのだと感じます。どのような「歯止め」があるべきだったのだろうか…未来を考える上ではそのような観点から見ていく必要を感じます。

 

以上、今回はアウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館に訪れる前の情報収集について書きました。自分の中で覚えておくため、というのもあり読みづらくすみません。

 

次回は現地ツアーについて書こうと思います。

 

まなにゃん